ポストトレードと個人投資家の
未来を切り拓く

ブロードリッジ ジャパンクライアントフォーラム2025からのインサイト

日本の金融市場は今、転換期を迎えています。JASDEC 2025の本格導入が間近に迫り、JASDEC 2027に向けた準備も進む中、日本のポストトレードインフラはかつてない重要な変革の時を迎えています。この変化は、業務の自動化や透明性の向上、投資家エンパワーメントの拡大といった新たな機会をもたらす一方で、市場参加者にはこれまで以上に高度な対応が求められています。

「ブロードリッジ ジャパンクライアントフォーラム2025」では、金融業界を代表するリーダーが一堂に会し、変化する市場環境の中でどのように対応し、成長を実現していくかについて議論を交わしました。

市場のモダナイゼーション:JASDEC 2025およびその先へのロードマップ JASDEC 2025の導入、さらにその先に控えるJASDEC 2027を見据え、市場の参加者は、市場のモダナイゼーションは単なるマイルストーンではなく、継続的な過程にあると認識しています。

JASDECのロードマップは、決済サイクルの短縮化、ストレート・スルー・プロセッシング(STP)の高度化、デリバリー・バーサス・ペイメント(DVP)の拡大導入を通じ、カウンターパーティリスクの軽減とともに、国際的な整合性と強固なオペレーショナル・レジリエンスを実現するものです。

特に株式貸借取引などの一部業務においてはT+0決済対応が求められ、今後さらに決済サイクルが短縮される中で、企業はポストトレードの自動化を一層重視する必要があります。企業は業務プロセス、システム連携、データフローを再構築し、新たな基準に効率的に対応するとともに、ビジネス機会の最適化を図ることが求められます。

JASDECのモダナイゼーションは単なる技術的変化ではなく、市場の利便性・堅牢性、そして市場参加者間の信頼関係を再定義する構造的改革です。

この取り組みにより、日本の金融市場はより俊敏で競争力の高いマーケットへと進化し、より大量の、多様化する資産クラスやクロスボーダー取引にも対応できるようになります。

ポストトレード・オペレーションの変革: 効率化・自動化・株式貸借取引

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最初のディスカッションでは、今後の制度改革を見据えたポストトレード業務と株式貸借取引業務の変革について議論が行われました。

2000年代初頭、日本の貸借取引市場は多くの企業が自社開発の暫定的なシステムに依存していましたが、時間の経過とともにその構造が著しく複雑化し、2019年には抜本的な刷新が急務となりました。こうした中、ブロードリッジのようなテクノロジーパートナーとの連携により、断片的なレガシーシステムから統合的でスケーラブルなプラットフォームへの移行が進みました。

「2002年に小規模で始めた際は、ここまで事業が成長するとは思っていませんでした。2019年には断片的な社内システムが大きな制約となっており、モダナイゼーションは不可欠でした。新しいテクノロジーを取り入れることで前進することができました」と、日本の大手銀行の代表はチャット内で語りました。

STPやDVP導入の進展によって、長年の非効率性やリスクが大きく改善されています。特にSTPベースのワークフローへの転換により、リアルタイムでのデータ連携、シームレスな照合、T+0決済日におけるカウンターパーティとの柔軟な取引対応が可能になりました。

さらに、株式貸借取引のモダナイゼーションは、業界全体に以下のような幅広いメリットをもたらしています。

  • 業務の効率化:簡素化されたプロセスと標準化されたデータによる手作業の削減
  • リスクの低減:標準化された決済およびリアルタイムモニタリングによるエクスポージャーの軽減
  • 担保の最適化:現金に限定されない、幅広い資産クラスを活用した柔軟な担保管理
  • 市場安定性の向上:照合および決済の確実性向上による、貸借取引事業での資産活用の高度化
  • 相互化(ミューチャリゼーション):外部ベンダーとの協働により市場変化対応のコストと知見を共有化

テクノロジーの進歩により効率性は向上する一方で、業界全体の要求水準も高まっています。変化に対応できない場合、システムやリソース、コンプライアンス面で課題が生じる可能性もあります。それでも業界としてのこの取り組みは、より健全で透明性の高いポストトレード・エコシステムの構築につながり、将来の持続的成長を支えています。

株主エンパワーメント: 個人投資家が牽引する新時代

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次のディスカッションでは、株主エンパワーメントと投資の民主化をテーマに、日本でのガバナンス改革やデジタル化の進展がどのように投資家の関与を変化させているかが議論されました。

コーポレートガバナンス改革と市場の活性化、そしてデジタルインターフェースの進化により、上場企業、仲介機関、投資家の関係はより緊密で透明性の高いものへと変わりつつあります。特に、テクノロジーがいかにエンゲージメントを深め、よりアクセスしやすく、情報に基づいた参加を可能にしているかに焦点が当てられました。

大手オンライン証券会社の代表は、デジタルの議決権行使、オンラインのコミュニケーション・チャネルやデータ駆動型のパーソナライゼーションにより、議決権をより容易に行使したり理解したりすることが可能になったと指摘しました。また、「株主エンゲージメントは進化しています。デジタルツールは単に参加を容易にするだけでなく、株主体験を双方向的なものに変えています」とも述べました。

議論では、この変化を牽引する3つのトレンドが取り上げられました。

  • デジタルネイティブな若年層の投資家を中心としたパッシブからアクティブな株主参加への移行
  • 金融リテラシー・デジタルリテラシーの向上が、持続的かつ責任ある投資の鍵に
  • ユーザーエクスペリエンス(UX)の重視:直感的でわかりやすく透明な投資体験の提供

また、国内市場においては、金融教育、テクノロジー活用やデータ分析を通じて、発行体と投資家をより深くつなぐ体制づくりが進んでいます。こうした取り組みが、よりエンゲージされた、エンパワーされた個人投資家層の育成を促しています。

最終的にテクノロジーの進化は、利便性の向上を超え、日本の資本市場全体における「信頼」「説明責任」「包摂性」の深化を支える重要な要素となっています。

未来に向けた市場インフラとエンパワーメントの融合

全体を通じて浮かび上がったメッセージは明確です。市場のモダナイゼーションと投資家のエンパワーメントは切り離せない関係にあるということです。より効率化されたポストトレード基盤は透明で迅速な市場を実現し、テクノロジーを活用する投資家が市場の健全な成長と信頼性を高めています。JASDECロードマップを軸に、業界全体での連携が進むことで、日本はイノベーションと包摂性の両立に向けた新たな基準を築きつつあります。

市場が2025年と2027年の改革を進むなか、成功のカギは企業、規制当局、そしてテクノロジー・パートナーとの協働にかかっています。ブロードリッジは、こうした変化を支えるパートナーとして、お客様がモダナイゼーションを「戦略的価値」に転換できるよう支援を続け、市場のレジリエンス、信頼性、そして持続的成長の実現に貢献してまいります。

統合的で知的、そして投資家主導の日本の金融市場の未来は、すでに動き始めています。

日本市場についてのさらなるインサイト、もしくは日本で提供しているソリューションについての詳細はこちらをご覧ください:www.broadridge.com/jp/

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